管理人樹里

ドッグフードが開発されてから、犬の寿命は格段に延びたといわれています。それまでは人間の食べ残しを食べていた犬は、栄養に偏りがあり、さらにフィラリアなどの予防薬もなく、4〜5年という短い一生でした。

そんなドッグフードですが、犬の総合栄養に配慮しているとはいえ、長期間(通常年単位)で保存できるように保存料や防腐剤を添加している、使われている原材料が目に見えず、何が入っているかわからない、ガンやアレルギーを起こす犬が増えたなどの理由から、ドッグフードを与えるのをやめ、手作りに変える人が増えています。手作りのメリットとデメリット、犬の栄養学やレシピなどについて、解説します。

手作りご飯のメリット

何といっても原材料が目に見える、作ったものをすぐに食べさせるというのが一番のメリットです。犬が喜んで食べるのも嬉しいことの一つです。

手作りご飯のデメリット

犬が外食できるところはほとんどありませんから、忙しくとも必ず作らなければいけません。また生まれた時方ドッグフードを食べたことのない犬は、動物病院などに預けられたり、災害で避難する時などにドッグフードを食べられないことがあるというデメリットがあります。また一番心配なのは、必要栄養素が過不足なく取り入れられているかどうかなのではないでしょうか。

犬の栄養学の必要性

人の場合は、生まれた時からの生活習慣でおおよその食生活が決まっています。さらに、毎日同じものを食べていると自然と飽きが来て、違うものを食べるなど、自分の体の声に耳を傾けることができますが、犬の場合は何でも食べてしまいますし、言葉が話せないので、今日はどんな栄養素が足りないなどとは言いません。与える人の方で、犬の必要な栄養素やカロリーを十分に理解した上で、手作り食を始める必要があります。

犬の食事の必須栄養素

犬も人も3大栄養素はたんぱく質、脂質、炭水化物で、ビタミンを加えると5大栄養素が生きるためには必要です。栄養素は同じでも、腸の長さや持っている酵素などの違いにより人と犬では食事の必要構成が異なります。これらの栄養素は多くても少なくても体に良くありません。特に、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フエニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリンは犬の体の中で合成することができないアミノ酸で、体す食物から摂取しなければなりません。またビタミンCは犬の体内で合成できますが、真夏などには不足することが多く、外部から摂取することによりより強い抗酸化性を発揮するため、積極的に摂取することが推奨されます。

犬のカロリー

生まれたときから亡くなるまで、犬の必要カロリーはその時々で変わってきます。特に授乳期〜成長期、あるいは妊娠・授乳期には体重あたりのカロリーは高くなります。また同じ体重でもシニアになると代謝が落ちてくるため、摂取カロリーを低く抑えないと肥満などの問題が出てきます。またシニア期は消化力が落ちてくるため、より消化の良い食事を与える必要があります。また避妊・去勢している犬はホルモンの影響などで消費カロリーがすくなるたるため、肥満に注意する必要があります。ちなみに、炭水化物・たんぱく質のカロリーは4kcal/gであり、脂質は9kcal/gです。

手作りご飯レシピ

犬の手作りご飯のレシピは数仮着なくなりますが、その中で幾つかご紹介します。

鹿肉の薬膳おかゆ

お水にご飯を入れ、しばらく煮ます。ご飯がトロトロになったら鹿肉を加え、クコの実を折れたら出来上りです。鹿肉は中までしっかり加熱するようにします。

キラキラチキンサラダ

きゅうり、パプリカ、セロリは1cm角に切っておく。鍋に水を入れお湯を沸かし、パプリカ、セロリをさっと茹で、引き上げた後、そのまま、同じ鍋で鶏肉を中までしっかり火を通し、一口大に切る。茹で汁をさました後に寒天の粉をいれ(0.5%ほど)、耐熱容器に入れて電子レンジに入れ、様子を見ながら寒天ととかし、野菜と鶏肉を入れて混ぜた上に寒天液を注ぎ、寒天が固まるまで放置する。寒天が固まったらフォークで荒くほぐして与える。

豚ハツの玄米雑炊

玄米と黒豆は身が崩れるくらいに圧力鍋で煮ます。その後一口大に切った豚ハツを加え、しっかり加熱します。豚ハツは低価格で脂肪が少なく、鉄分の多い食材です。

タンシチュー

タン(豚、牛、鹿など)とにんじん、かぼちゃなどの野菜を圧力鍋で加熱し、その後ご飯やパスタにかけます。すりごまを少々かけると風味が良くなります。

まとめ

犬の栄養学から簡単なレシピまで解説しました。犬の必要栄養素の必要割合は人とは異なり、たんぱく質やカルシウムなどが多く必要です。また玄米や豆類などはただ煮ただけでは消化しにくいので、ひきわりや圧力鍋で吸収しやすい形に調理します。一食で全ての栄養素を摂取するように作るのではなく、1週間単位で大まかな栄養が全て取れるように考えることが大切です。

犬への手作りご飯に関するQ&A

Q:犬にお米を食べさせても大丈夫ですか?

A:お米は小麦粉よりアレルギーの少ない穀物であると言われています。ほとんどの犬は穀類をエネルギーとして使うことができますが、一部の原始的な要素を多く持っている犬(ハスキーなど)は上手に利用できないことがあります。また犬の唾液にはデンプンを分解して分子の小さな糖類に変換するアミラーゼがないため、人よりは消化が得意ではありません。

Q:白米と玄米、どちらが犬の体にいいですか?

A:玄米は糠に包まれているため、白米に比べて血液中への糖の流れが緩やかであるため、インスリンの分泌が少なく、糖尿病を始め、肥満などの抑制効果があると言われています。また白米よりビタミン、ミネラル、食物繊維などが多く含まれ、健康食品と言えるでしょう。また脂質の代謝を良くするイノシトールや抗がん、血管保護効果が期待されるフィチン酸も含んでいます。

Q:玄米を犬に食べさせる時の注意点を教えてください。

A:犬は人間に比べて唾液にアミラーゼがないため、デンプンの消化が苦手です。玄米は白米に比べてさらに消化しにくいため、柔らかく調理しないと消化されずにそのまま出てきてしまうことがあるので注意が必要です。犬に玄米を食べさせるためには、12時間程度水に浸漬した玄米の水を切った後に、少しずつ空炒りを行い、さらに圧力鍋で水分を多めに炊くといいでしょう。

Q:玄米は無農薬が大事と聞きましたが、何故ですか?

A:米は糠や胚芽の部分に、農薬やカドミウムなどの重金属が集まりやすいので、玄米を食べる場合には特に無農薬だけではなく、産地にも気を配る方が安全です。

Q:最近野生動物の肉を食べるジビエ料理が流行っていますが、犬にはこれらの生肉を食べさせても大丈夫ですか?

A:今まで多くのドッグフードの主要肉類として使われていたチキンにアレルギーを持つ犬が出てきたため、近年主要畜産物である家禽類、豚肉、牛肉、羊肉以外の肉を食べさせたい飼い主さんがいます。牛や鶏の腸管にはほとんどの場合腸管出血性大腸菌(O-157など)がいて、通常牛や鶏では発症しません。これらの保菌動物が屠殺されるときに、肉類に付着することがあります。犬は胃酸が強く、腸管も短いので、比較的細菌感染などに強いと言われています。しかし、その時の体調、年齢などにより、免疫力が落ちて感染する可能性がありますので、肉類は加熱する方が安全です。特に野生動物に関しては、屠殺場以外で解体され、さらに犬用として雑に扱われる可能性があるので生肉は避けた方が賢明です。特に近年、人ではイノシシや鹿肉からE型肝炎の感染が確認され、ほとんどは自然治癒するものの、劇症型での死亡例も散見します。犬もこれらの細菌やウイルスに感染する可能性があり、また排泄物や口から人への感染も考えられるため、生肉は避ける方が懸命です。また鹿肉や豚肉にはいくつかの寄生虫の感染も報告されています。

Q:鹿肉や馬肉は犬の体にいいって本当ですか?

A:鹿肉や馬肉は低脂肪で高たんぱく質です。さらに早く走るために赤血球が多く、そのため鉄分を多く含んでおり、貧血などに良いとされています。馬肉は生で与えても安全であると言われています。

Q:肉を加熱すると酵素が壊れるから良くないと聞きましたが?

A:酵素は体の中で作るものであり、食事で摂取するものではありません。酵素はたんぱく質から出来ているので、胃酸などの低いpHでは溶かされてしまいますので、単なる栄養素の一つ(アミノ酸)にしかなりません。ただし、加熱するより生の方が消化は良いようです。

Q:犬に食べさせてはいけない食べ物はありますか?

A:ほとんどの飼い主がご存知の通り、ネギ類は有害です。ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物は犬の赤血球に作用し、溶血(赤血球が形を保てず破裂すること)を引き起こします。感受性は個体によって異なるため、ネギ類が入っている食べ物は食べさせてはいけません。加熱しても毒性は変わりません。さらにチョコレートに含まれるデオブロミンも有害で食べた量によって中毒や貧血、急性心不全などを引き起こす可能性があります。またイカ・タコ・エビなどは生では消化が悪く、ときに着色料やpH調整剤などが添加されていることがあるので注意が必要です。生卵の白身にはアビジンというビオチンと結合する性質のある物質が含まれ、大量に食べるとビオチンの吸収が阻害されます。

Q:ビオチンとはなんですか?

A:ビオチンは哺乳類では自分で作ることのできない水溶性ビタミンで、糖新生や脂肪代謝などの様々な酵素反応の補酵素として働きます。ビオチンは腸内細菌も作ることができますが、主に経口で摂取されます。欠乏すると食欲不振、吐き気、乾燥鱗片皮膚炎、脱毛、運動失調など様々な症状を引き起こします。

Q:肉を冷凍することで細菌やウィルスは死にますか?

A:細菌やウィルスは冷凍によって死滅させることはできません。細菌やウィルスを死滅される方法として、厚生労働省の指導では70℃1分以上、75℃では5秒以上の加熱が推奨されています。一部の胞子を作るような細菌類は100℃でも死滅せず、加圧処理が必要な場合もあります。そのような場合にも有効なのが圧力鍋です。一方寄生虫は−20℃で1週間程度の冷凍で死亡すると言われています。

Q:パスタ類を犬に食べさせても大丈夫ですか?

A:パスタ類は小麦粉から作られるので、小麦にアレルギーのない犬では食べさせても問題はありません。乾麺を茹でるときには、塩を加えないようにします。またパスタソースは塩分も強く、玉ねぎを含んでいる場合が多いので、人の食べ残しなどは与えないようにします。

Q:もともと野生の肉食だから肉だけ与えた方が良いのでは?

A:野生で暮らす肉食獣は、筋肉部分だけではなく、内臓や骨、血液なども一緒に食べることで栄養のバランスを取っています。しかし、犬が野生だったのは遠い昔であり、現代の犬たちは人と暮らせるように雑食になっています。肉の一部を与えているだけでは全ての必要栄養素が満たされません。

Q:果物が大好きで家族が食べていると欲しそうにします。食べさせても大丈夫ですか?

A:果物は一般に果糖が多く、血糖値を急激にあげてしまいますので、あまりたくさんは食べさせない方がいいでしょう。特にぶどうには有害な物質が含まれていて、腎不全を起こすことがあると言われています。ぶどうの犬に対する有毒成分は現在特定されておらず、また死亡例も数匹程度です。しかし、少しでも害があるものはあえて食べさせない方がいいと思います。またアボカドに含まれるペルジンは中毒症状を引き起こす可能性があります。ペルジンの含有量は品種や育成条件によって異なるようで、市販の生食用アボガドは含有量が多いものが多いようです。アボカドを含んだドッグフードは皮膚疾患に有効であるとされていますが、下痢や軟便、嘔吐などが現れた場合には中毒の可能性もあるため、使用を中止しましょう。

Q:毎日手作りするのは大変です。楽に続けられるアイディアはありますか?

A:食事は毎日のことなので、続けるのが大変です。できれば完全に手作りではなく、ドッグフードも併用すると忙しい時はドッグフードだけと上手に手抜きができて、とても楽になります。また、お米だけでも何食分かをまとめて作り、冷凍しておくと解凍して肉、野菜を加えるだけなのでとても楽です。人の食事を作るときに一緒に作り、人が食べている間に冷ますと躾の面からも有効です。また小型犬であればフリーズドライドッグフードが手作り食に似ています。

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《執筆者樹里について》

管理人樹里

犬を本格的に飼い始めてから20年ほど。

現在は訓練競技会などにも積極的に参加。現在ボクサー2匹パピヨン1匹トイプー1匹飼育しているワンちゃん溺愛主婦です。

執筆者樹里の愛犬

《人でも食べられるとハッキリ公式サイトに書かれているこだわりドッグフード》

ドッグフードには、人が食べる者にはまず含まれていないような合成着色料、防腐剤が使われていることが多いです。

また、こだわりの外国産ドッグフードに関しても、輸送工程での温度管理などによる品質劣化の疑念があります。

筆者が犬の健康のために抑えておくべきだと考えているドッグフード選びのポイントは

  • 国内製造であること
  • 国内製造で且つ無添加であること
  • 人でいうところの成人病になってしまうような食事でないこと
  • 人でも食べられる

人でも食べられるということは、犬だから許されるような安価な合成着色料、防腐剤を使用していないという証拠。ネーミングだけで何となく犬の健康によさそうだと勘違いさせるようなドッグフードとは明らかに別物。

愛犬と長く過ごすためにということは勿論のこと、

  • 獣医への通院頻度減により手間が少なくなる
  • 獣医への通院頻度減によりお金が掛からなくなる

ことにもつながります。健康は食から。これは人も犬も同じ。

こだわりの人でも食べられるドッグフードを一度チェックしてみてください。

引用元:カナガン、ナチュラルドッグフード、ロイヤルカナン、サイエンスダイエットの口コミ評判比較他|犬の餌おすすめランキングナビ