管理人樹里

近年は獣医学の発展と飼い主の意識向上などにより、定期的に飼い犬の健康診断を受けることが多くなってきました。犬の健康診断は、獣医による問診、聴診、触診などの他に、血液検査をパック料金として実施する動物病院が出てきました。犬の健康診断について、解説します。

獣医による問診、聴診、触診

一番大切なのは、獣医による飼い主からの問診です。日頃接している飼い主が犬のことを一番よくわかっていますが、獣医からの目線とは違うことがあり、病気に気がつくこともある重要事項です。日頃から飼い犬の様子を書き留めておくことも役にたちます。他にできものや痛がるところがないか、耳や歯に疾患がないかを確認したり、心臓の音や消化管の音を聞くことはとても重要です。近年はすぐに血液検査などの検査数値に頼る獣医師も多く、飼い主から積極的に頼むことも大事です。また、動物病院では、最初に体重を測定します。体重の増減は体調を反映します。特に大型犬は人用の体重計で測定することが困難ですから、動物病院で測定してもらうのが確実です。獣医による問診、聴診、触診、体重測定だけですと1,000〜2,000円で受けられますので、1ヶ月〜2ヶ月に一度受けておくと安心です。

健康診断パック

犬は自分で症状を訴えることができないため、一通りの血液検査を行います。大型犬は血管が太く問題ない場合が多いですが、小型犬の場合には血管が細く、採血しにくい場合があります。日頃から他人による保定などに抵抗がないよう慣らしておくことが必要で、怖がって暴れると採血できません。血液検査の項目は健康診断の場合おおよそのパックになっていることが多く、生化学検査の場合10項目程度で5,000〜7,000円のところが多いようです。その他にレントゲン、腹部エコー、便検査などをパックにして15,000〜20,000円程度の動物病院もあります。

健康診断の頻度

犬にもよりますが、5歳までは年に一回、フィラリアの予防薬を飲ませる際には血液検査が必要なので、その時期(春)に行うのが便利です。6歳以上のシニア期に入ってきたら、半年に一度は健康診断を行うと、病気の早期発見につながります。

CBC検査

白血球数や赤血球数、ヘモグロビン濃度、血小板などの数値がわかる検査で1セット1000~2000円かかります。主に感染症や貧血にかかっていないかを調べる検査になります。

フィラリア検査

フィラリアの予防薬を飲ませる前には、通年投薬している場合以外は必ずフィラリア感染の検査を受けなければなりません。近年、住宅の気密化や暖房化が進み、冬でも蚊が生存してフィラリアに感染している可能性があるためです。フィラリアに感染している状況で予防薬を飲ませると、死亡したフィラリアが血管に詰まって危険な状態になることがあり、その場合には慎重な治療が必要になります。検査キットで2,500円程度です。

生化学検査

血糖値や肝臓、腎臓の大まかな機能を調べます。 検査項目は血糖値、尿素態窒素(BUN)、AST、ALP、クレアチニン、γ-GTP、ナトリウム、カリウム、アルブミン、リパーゼなどを測定するのが一般的です。問診で異常があると思われる場合には、さらに精密検査を加えることもあります。血糖値(正常値50~124mg/dl)が高い場合には糖尿病が、BUN(正常値4.8~31.4mg/dl)やクレアチニン(正常値0.2~1.6mg/dl)が高い場合には腎臓病が、AST(正常値9~69mg/dl)やALT(正常値13~53U/l)、γ-GTP(正常値0~15U/l)が高い場合には肝臓に何らかの異常があると考えられます。またリパーゼ(正常値100~1,500U)が高い場合には、脾臓の疾患が考えられます。正常値から外れた項目がある場合には、一週間程度してから再度測定し、同じような結果が出た場合には、さらに精密検査で疾患を見つけ、治療を始めます。

レントゲン検査

通常の健康診断ではあまり行いませんが、系統的に股関節脱臼などを起こしやすい犬種や繁殖を考えている場合には股・肘関節のレントゲン検査を行い、関節がきちんと所定の位置にはまっているかを調べます。費用は簡易検査では3,000円程度ですが、正式な検査は外注になり、詳しく調べるために鎮静や麻酔が必要になる場合はさらに高額になります。先天的に関節が亜脱臼を起こしているような場合には、6ヶ月頃から症状が出始め、成犬になると一度治る場合がありますが、ちゃんとはまっていない関節は常に炎症を起こしている状態で、シニア期になると痛みが出て歩行困難になってくることもあります。体重を増やさないようにし、炎症止めやサプリメントで関節周りを保護しながら、運動をして筋肉をつける必要があります。健康診断で関節の脱臼が見られる場合には、半年に一度、レントゲンで状態を確認する必要があります。

エコー検査

心臓の弁の動きや臓器に腫瘍などがないかを調べるために、エコー検査があります。エコー検査は痛みがなく、比較的犬にとっても受けやすい検査ですが、犬種によっては剃毛などが必要になる場合があります。一箇所3,000〜6,000円程度で受けられるところが多いようです。

まとめ

話ができない犬の健康を守るのは飼い主です。具合が悪くなくても定期的に健康診断を受けるとともに、普段の様子を毎日チェックすることで、飼い犬の不調を素早く見つけ、治療することができます。早期発見、早期治療が一番重要です。

犬の健康診断に関するQ&A

Q:犬の健康診断は若いうちから受けておいた方がいいですか?

A:若いうちに健康診断を受けることはとても大切です。例えば先天的な病気があった場合に、さらなる悪化を防ぐための日頃の生活の仕方や投薬などが行えるからです。また、股関節形成不全などでは、手術も視野に入れる必要があるため、金銭的にも時間的にも猶予ができます。また、若い頃からのデータがあると、老齢になってからの検査結果と照合することができ、もともとの個体差による数値なのか、なんらかの病気による数値なのかを素早く判断することができます。

Q:健康診断はどのくらいの費用がかかりますか?

A:受ける健康診断の内容によって異なります。問診や触診だけでなく、簡単な生化学検査を行うとおよそ5千円前後かかります。それに加え、ラブラドールやシェパードなどの犬種に多く見られる股関節形成不全や、トイプードルなど小型犬によく見られる膝蓋骨形成不全などが予測される場合には、レントゲン検査を行います。レントゲン検査は1箇所3千円程度です。また小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全や、ボクサーなどに多く見られる心臓肥大などは超音波診断で行います。また腹部の腫瘍などもある程度発見することができます。超音波診断は一部位3千円程度で、腹部と胸部の両方では6千円程度かかります。

Q :犬の血液検査にはどういうものがありますか?健康診断では何が必要ですか?

A:犬の健康診断のための血液検査は、一般にCBC検査と呼ばれる血球の検査と、生化学検査と呼ばれる血液中の化学物質を調べることにより臓器の機能を知る検査に分かれます。そのどちらも調べることにより、犬の体の状態を大まかに知ることができます。

Q:CBC検査について詳しく教えてください。

A:CBC検査と言ってもたくさんありますが、ここでは一般健康診断で多く使われる項目について解説します。RBCは赤血球の数を調べます。赤血球は体の隅々まで酸素を送り届ける役目を担っており、少ないと貧血になり、多いと脱水やその他の病気が考えられます。Ht・PCVはヘマトクリットと呼ばれ、血液中の赤血球の体積の割合を測ります。RBC検査で赤血球の数が正常でも、体積が小さいと酸素を運べる量が少なくなり、貧血になります。少なくなる原因として、なんらかの溶血(玉ねぎなど)や失血、再生不良などの病気が考えられ、多い場合には脱水や心肺疾患、ショックなどが考えられます。Hbはヘモグロビン量で、赤血球の中にある酸素と結合する色素です。これが少ないと、同様に酸素を身体中に運べなくなります。MCVとは平均赤血球容積は文字通り平均的な赤血球の容積です。赤血球の数とヘマトクリット値から算出され、貧血の種類を特定することに使われます。TPは血漿中の総たんぱく質の量で、多すぎる場合には脱水やショック、少なすぎる場合には腎臓や肝臓の疾患などが考えられます。Hは黄疸指数で、高いと肝臓の疾患が考えられます。WBCは白血球の数で、細菌感染では増加傾向にありますが、ウィルス感染では低下することがあるため、注意が必要です。Platは血小板数で、血小板は傷の修復、止血に重要な働きをしています。体質によって変動することがあり、低い場合にはどのようなタイプか鑑定するために外注する必要があります。血小板が低い状態が続く犬は、出血時に血が止まりにくいことがあり、さらに手術などに注意が必要です。

Q:健康診断の時に行う生化学検査とはどういう種類がありますか?

A:Glucoは血糖値のことで、糖尿病などでは増加するため、高齢、肥満などの犬では必須です。ASTはアスパラギン酸トランスアミナーゼで、GOTはグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼのことです。どちらもアミノ酸を作る酵素で、細胞が破壊されると血液中に増加します。ASTやGOTが高い場合には、肝臓だけではなく心筋梗塞や筋肉の疾患、溶血などの疾患も考えられます。一方ALTはアラニンアミノトランスフェラーゼ、GPTはグルタミン酸トランスアミナーゼのことであり、これらの酵素はいずれも肝臓に多く含まれ、高い値を示す時には肝臓疾患が疑われます。ALPはアルカリフォスファターゼの総称であり、肝障害や若い犬では高い値を示します。BUNは血液尿素態窒素のことで、通常では腎臓の働きによって体外に排出されるところ、腎機能が衰えていると、値が高くなります。運動や高たんぱく質の食事でも高くなるため、異常値が出た場合は、何度か検査を繰り返します。Cre.はクレアチニンで、クレアチニンはタンパクの老廃物であり、筋肉中で使われたゴミが血液中に放出されたものです。腎臓で体外に排出されるので、この値が高いと腎臓に障害があると考えられます。クレアチニンは筋肉量に比例するので、筋肉質の犬では正常値が高いことがあり、若い時から継続的に測定することが重要です。BUN,Cre.とも、異常値が検出された時点でかなり腎機能が落ちている可能性があるので、獣医師の診察に従います。

Q:フィラリアの予防薬を12月まで飲ませたので、今年のフィラリアの感染検査は必要ないですよね。

A:近年地球の温暖化や家屋の断熱化が進み、通常の日本なら死にたえるはずの蚊の成虫が寒い時期にも生息していると言われています。ミクロフィラリアを持っている犬の血を吸った蚊が吸血すると、蚊の中でミクロフィラリアは感染能力のある幼虫に成長し、次に蚊が吸血した時に犬の体内に感染します。一旦感染が成立すると、幼虫は皮下や筋肉の中で3ヶ月ほど成長し、その後静脈から血管に侵入し、半年後には心臓や肺動脈に住み着いて成虫になります。したがって、年末に感染した幼虫は、次の春にフィラリア予防する頃にはある程度の大きさに成長し、静脈や心臓に達している可能性があります。静脈や心臓に達しているフィラリアがいる犬にフィラリア予防薬を飲ませると、血管や心臓内でフィラリアが死亡し、その亡骸が血管などに詰まってしまうことがあります。血管に何かが詰まると、その先は血液が流れないので細胞が壊死してしまい、最悪な場合は死亡してしまいます。フィラリアに感染している犬はフィラリアに対する抗体を持っているので、その年初めてフィラリア予防薬を飲ませる前には必ず抗体検査をする必要があります。またフィラリアはミクロフィラリアを持っている犬からしか感染しません。地域すべての犬がフィラリア予防をしていると、フィラリアに感染する可能性は限りなく低くなります。自分の犬が苦しむだけではなく、他の犬に迷惑をかけることですので、予防はしっかりとしましょう。沖縄など一年中蚊が生息する地域では年間を通してフィラリア予防をする必要があるため、抗体検査は不要です。

Q:飼い主が普段の生活で健康診断をするときの注意点はありますか?

A:健康診断というより、毎日観察していると、いつもと違うようなら動物病院での診察につれていけますし、早期発見早期治療は犬にとっても楽なのはもちろん、費用の面でも少ないことが多いものです。普段から食欲、飲水量、運動をしたがらないことはないか、排泄物の様子などに気をつけます。全身を触ってみて、デコボコしている部分や毛が抜けたりただれたりしている部分がないかどうかチェックします。また大まかに毛の中に皮膚の色が変わっているとことはないか、また足の指の間もチェックします。さらに、動物病院などでリンパ腺のあるところを教えもらい、普段からチェックしましょう。特に若い犬でも発症することがあり、治療しなければ早くて数週間で死亡してしまう可能性のある悪性リンパ腫は、首の下のリンパ腺や後ろ足の膝の部分のリンパ腺が腫れることが多いものです。普段から触っていれば、変化に気がつきやすいものですから、おかしい時は獣医の診察を受けましょう。

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《執筆者樹里について》

管理人樹里

犬を本格的に飼い始めてから20年ほど。

現在は訓練競技会などにも積極的に参加。現在ボクサー2匹パピヨン1匹トイプー1匹飼育しているワンちゃん溺愛主婦です。

執筆者樹里の愛犬

《人でも食べられるとハッキリ公式サイトに書かれているこだわりドッグフード》

ドッグフードには、人が食べる者にはまず含まれていないような合成着色料、防腐剤が使われていることが多いです。

また、こだわりの外国産ドッグフードに関しても、輸送工程での温度管理などによる品質劣化の疑念があります。

筆者が犬の健康のために抑えておくべきだと考えているドッグフード選びのポイントは

  • 国内製造であること
  • 国内製造で且つ無添加であること
  • 人でいうところの成人病になってしまうような食事でないこと
  • 人でも食べられる

人でも食べられるということは、犬だから許されるような安価な合成着色料、防腐剤を使用していないという証拠。ネーミングだけで何となく犬の健康によさそうだと勘違いさせるようなドッグフードとは明らかに別物。

愛犬と長く過ごすためにということは勿論のこと、

  • 獣医への通院頻度減により手間が少なくなる
  • 獣医への通院頻度減によりお金が掛からなくなる

ことにもつながります。健康は食から。これは人も犬も同じ。

こだわりの人でも食べられるドッグフードを一度チェックしてみてください。

引用元:カナガン、ナチュラルドッグフード、ロイヤルカナン、サイエンスダイエットの口コミ評判比較他|犬の餌おすすめランキングナビ